トケイソウ

 フェンスに蔓が巻きつき、丸い時計の文字盤のようなものが幾つも見える。立ち止まり、目を凝らせば、野生化したトケイソウが繁茂している。トケイソウ(時計草、パッションフラワー、Passion flower)はトケイソウトケイソウ属に分類される植物の総称で、種の数は500を超える。さらに、栽培種には様々な色、形がある。
 トケイソウは個性的な花の形を時計の文字盤に見立てたことからつけられた名前で、特徴的な造形美のある美しい花が魅力の熱帯植物。萼片と花弁がそれぞれ5枚ずつあり、同じ色と形なので10枚の花びらがあるように見える。色は白が多いが、ピンクが交じったものなど様々である。日本へは江戸時代初期に渡来。英名パッションフラワーのパッションは「キリストの受難」を意味するが、花の形を十字架にかけられたキリストに見立てたもの。また、トケイソウ属の中には果樹栽培用のものもあり、その果実はパッションフルーツ(Passion fruit)。

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