季節が変わる時期を告げるかのような二つの紫色の花が目に飛び込んでくる。ドイツアヤメ(ジャーマンアイリス)は既に花が終わったが、最近あちこちで目立つようになった。どこで見てもドイツアヤメは好きになれないのだが、花菖蒲はそれに比べるとずっと好きである。花菖蒲の横に一輪だけ咲いていたのがウナズキヒレアザミ。「項垂れと頷き」のいずれが好ましいのかつい考えてしまうのだが、その時の気分に応じて好きな方を使うのもいいと頷きながら見入ってしまう。
二つの花の紫を区別しようとすれば、ハナショウブが江戸紫、ウナズキヒレアザミが京紫とでもなるだろうか。だが、二つの花が咲く場所が深川だけに共に江戸紫にしておこう。