ミツバツツジ

 ツツジやサツキの開花はまだ先だが、ミツバツツジが既に咲いている。三枚の葉を持つのでミツバツツジ(三葉躑躅)と呼ばれ、まだ緑の少ない野山に淡い紫色の花が鮮やか。関東から中部に分布する落葉低木で、淡い紫色の花を咲かせ、開花後、あるいは同時に葉が出るのが特徴である。
 開花時期は3月中旬頃で、山地に生えるが、最近は都会でもよく見かける。色んな種類があるが、代表種の「三葉躑躅」はおしべが5本あり、「東国(とうごく)三葉躑躅」、「大山(だいせん)三葉躑躅」などはおしべが10本ある。
 ところで、昨日シャクナゲについて書いたが、シャクナゲツツジ、サツキ、そしてアザレアはどれも同じ仲間である。シャクナゲは花木の女王で、高山植物と受け取られる場合が多く、同類だがその印象は随分と違う。アザレアは欧米でのツツジの総称で、日本では西洋で品種改良されたツツジを指している。サツキは見た目がツツジと変わらない。というのも、サツキツツジというくらいでツツジの一種である。旧暦の5月頃に咲く遅咲きのツツジなので皐月となったらしい。
 何ともややこしい限りだが、複雑で多様なツツジ科の状況というだけでなく、命名の仕方や歴史がさらに混乱を倍加している。複雑なのは自然だけでなく人間にも起因している一例になっているようだ。

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ミツバツツジ

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ミツバツツジ

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ミツバツツジ