正月の海王丸

 海王丸(かいおうまる)は、海技教育機構保有する練習帆船です。いつも正月は有明北埠頭に係留されています。姉妹船の日本丸と並んで日本を代表する帆船です。帆船など見る機会がめっきり減った昨今、見ていると茶器や日本刀を見るときの心持ちに似てくるのです。現役の練習船ですが、美術品や骨董品であるかのように鑑賞したくなるのはどうしてなのでしょうか。
 画像の海王丸は二代目で1989年(平成元年)竣工。2556総トン、長さ110.09メートル、幅13.80メートル。海王丸の先輩格に当たるのが日本丸で、共に日本を代表する大型の帆船です。日本丸の方は近くの晴海埠頭によく係留されています。
 海王丸の船首、バウスプリットが突き出た下の部分に取り付けられているのが「紺青(こんじょう)」と呼ばれる、笛を持つ可憐な女性像。それが海王丸の船首像(フィギュアヘッド)です。姉妹船の日本丸には「藍青(らんじょう)」と呼ばれる、しとやかに合掌している女性像が取り付けられています。これら船首像のためか、両船とも女性的な印象が強く、女性名詞に納得させられます。

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