イソギク

 イソギク(磯菊)はキク科キク属の植物で、既にここでも取り上げた。二つの画像を比較すると花が随分違うことにすぐ気づくだろう。実際、全体の印象も異なる。この違いは何かの解明が今回の目的である。
 磯の菊ということからイソギク(磯菊)の名があり、多年草で地下茎で増える。花期は10-11月頃、多数の頭花を散房状につけ、花は筒状花のみで舌状花はない。つまり、外側に花びら状の花が並ばない、というのがイソギクの普通の説明である。
 キク科の植物は小さな花が集まって、ひとつの花のような花序を作るのが特徴。イソギクでは、花びらを持つ花(舌状花)が全く無く、管状の花ばかりが集まっている(画像)。
 イソギクの頭花と違い、花磯菊(ハナイソギク)のほうは周辺部に白い舌状花がついている(画像)。そのため、ハナイソギクイソギクとイエギク(家菊)との間の交雑種だと考えられている。だが、『牧野原色植物図鑑』では、海岸に適応するために舌状花を失ったイソギクの先祖返りかも知れないと指摘されている。

f:id:huukyou:20181124075930j:plain

イソギク

f:id:huukyou:20181124075952j:plain

ハナイソギク