ホウジャク

 昼行性の蛾で、スズメガの仲間。容姿が蜂に似ることからホウジャク(蜂雀)と呼ばれる。棍棒状の触角を持ち、全身が褐色で、後翅に黄色い模様が入る。スズメガの成虫は鋭角を持つ三角形の翅をもち、これをすばやく羽ばたかせて、種類によっては時速50km以上の高速で移動する。その飛行速度は、数多い飛翔昆虫の中でも一番速い部類に入る。また、ホバリングすることもでき、その状態で樹液や花の蜜を吸引する(画像)。実物を観察できた私はこんな説明を吹っ飛ばすような強烈な印象をもってしまった。
 成虫は口吻が発達していて、様々な植物の花の蜜を吸引するが、成虫の口吻の長さは種類によって様々で、それぞれ好みの花の蜜腺に届くような長さをしている。例えば、ウチスズメは2cmほどしかないが、エビガラスズメは11cmも伸びる口吻をもっている。
 スズメガの仲間の多くは夜行性だが、ホウジャク類は昼間に活動する。ホウジャクもハチドリもハチとそっくりな羽ばたき方をしていて、前後に羽ばたきながら空気の渦を作り出し、常に一定の揚力を得られるような羽ばたき方をしている。これによって、ハチのように自在にホバリングできるようになっている。

f:id:huukyou:20181108043839j:plain

f:id:huukyou:20181108043900j:plain

f:id:huukyou:20181108043924j:plain