セイタカアワダチソウ(背高泡立草)

 セイタカアワダチソウはキク科のアキノキリンソウ属の多年草。日本では代萩とも呼ばれ、北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物であり、ススキなどの在来種と競合する。11月頃まで開花していることから、ミツバチの蜜源植物として、養蜂業者が全国に広めたこともある。河原や空き地などに群生し、茎は下の方ではほとんど枝分かれがなく、先の方で花を付ける枝を多数出す。花期は秋で、濃黄色の小さな花を多く付ける。種子だけでなく、地下茎でも増える。
 外来生物法により要注意外来生物に指定されているが、日本国内への移入は、明治時代末期で、その存在が目立つようになったのは第二次世界大戦後。米軍の輸入物資に付いていた種子が原因で、昭和40年代以降全国的に大繁殖するようになった。蜜源植物として優秀であるので養蜂業者が積極的に種子を散布したとの話もある。実際、画像にもあるように、今咲いている花には多くのハチが群がっている。
 和名の由来は、同じ属のアキノキリンソウの別名であるアワダチソウよりも草丈が高いことによる。地下部からアレロパシー物質を分泌し、種子発芽を抑制する。このために純群落を形成して繁茂することになりやすい。空き地や放棄畑などに繁茂して大群落を形成し、それが嫌われる植物にさせたようである。その上、花粉アレルギーの元凶ともされたが、セイタカアワダチソウは花粉をミツバチなどの昆虫によって媒介させる蜜源植物であり、花粉を風に乗せてばらまく植物(風媒花)ではない。
 セイタカアワダチソウの栄枯盛衰は人々のこの植物への態度に大きく依存してきたようである。

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