「狂い咲き、それとも四季咲き」から「狂い咲きから四季咲きへ」へ

 涼しくなってきたと思いながら歩いていると、タンポポの花が目に入る。温暖化による異常気象のための狂い咲きかなどとつい早合点したくなるのだが、タンポポが春に咲くのは確かでも、春にだけ咲くのかという疑問が湧き出てくる。「タンポポは春に咲く」のは確かだが、「タンポポは春にだけ咲く」、「タンポポは春にしか咲かない」は確率的に正しいというのではなく、誤っているというのがその答えである。だから、タンポポの「狂い咲き」は、特にセイヨウタンポポについては間違いなのである。
 確かに在来種である「カントウタンポポ」、「トウカイタンポポ」などは春にしか咲かない。だが、外来種である「セイヨウタンポポ」は日当たりさえ良ければ、一年中咲く、いわゆる「四季咲き」なのである。一年中咲いていれば、狂い咲きではない。
 「春を告げるタンポポの花」は在来種に限られる。さらに、セイヨウタンポポは単為生殖で種子をつける。つまり、種子が単独で熟す。そのため繁殖力が強く、現在では日本全土に広がり、タンポポの旧来のイメージを変えつつある。

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