マユミ

 マユミ(檀、真弓、檀弓)は、ニシキギ科の木で、別名ヤマニシキギ(山錦木)。秋に果実と種子、そして紅葉を楽しむことができ、盆栽に仕立てられることもある。材質が強く、よくしなるため、昔から弓の材料として知られ、それが名前の由来になった。かつては和紙の材料にもなったが、材は緻密で堅く、色も美しく、今では印鑑や櫛の材料になっている。
 新芽は山菜として天ぷらやおひたしの材料になる。秋になるとサイコロステーキのような薄紅色の実が鈴なりになる。これを目当てに鳥がよく集まるが、種には毒性がある。同じ仲間であるニシキギやマサキと同じように熟すと四つに裂け、中からオレンジ色の種が顔を出す。
 湾岸地域での秋の紅葉はまだだが、地域に応じて橙色、黄色となり、美しい。老木になるにつれ、幹に裂け目ができ、樹形自体も味わい深いものとなる。そのため、既に『万葉集』に「白檀弓」、「白真弓」などとして登場している。

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