クロガネモチ

 自然状態での成長は普通10m程度で、あまり高くならない。葉は革質で楕円形やや波打つことが多く、深緑色。表面につやがある。春4月に新芽を吹き、葉が交替する。本来は庭木として用いられていたが、都市環境にも耐えることから、公園樹や街路樹として植えられる。そのためか、湾岸地域ではよく見かける。
 雌雄異株、花は淡紫色で、5月から6月に咲く。たくさんの果実を秋につける。果実は赤く球形。また、実のない時期でも、常緑で光沢がある濃い緑の葉と灰白色の木肌とのコントラストや、紫色を帯びる葉柄や新梢が目を楽しませてくれる。
 葉柄や枝が紫色っぽいところから、「黒鉄黐」の名がついた。「モチ(黐)」は、樹皮からモチノキと同様に「鳥黐(とりもち)」が採れることから。「鳥黐」は木の枝に塗りつけて、小鳥を採るのに使うが、現在ではカスミ網猟と同様に禁止されている。そのためか、私はまだ鳥黐を見たことがない。モチノキから採取するものが最良とされ、それは本黐(ほんもち)、他のモチノキ属のものは青黐(あおもち)と区別するそうで、クロガネモチは青黐。

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