植物の名前に数字を使うことは珍しくない。どんな関係があるか探り出すと、単に面白いだけでなく、命名の隠れた規則や文化の特徴まで見えてくる。それをじっくり考えるのは暇つぶし以上のものを含んでいる。
一輪草の学名はAnemone nikoensis Maximで、日光産のイチリンソウ属。Anemone(アネモネ) は、ギリシャ語の「風」が語源で、春に茎先に一輪だけ白い花が咲く。二輪白い花が咲くのが同じイチリンソウ属の二輪草。
サルスベリ(百日紅)は初夏から秋まで100日も花をつけるのが、その名前の由来。中国が原産で、今は庭木や街路樹として人気が高い。赤、ピンク、白の花がちょうど今咲き誇っている。
28日に紹介したセンニチコウ(千日紅)は17世紀頃に渡来。夏から秋まで長い間、紅色が色褪せないため、この名前になった。別名は千日草で、やはり今が花の盛り。
一から万(万両や万作など)まで数字はうまく植物の名前に取り組まれている。「百日紅」と「千日紅」を漢字だけ見るなら、よく似た花を期待してしまうが、まるで違っている。だが、共に長く咲くという点では似ている。こうして、「名は体を表す(Names and natures do often agree.)」かどうかの豊富な例を提供してくれるのである。