テイカカズラ

 既にテイカカズラは紹介したのだが、その名の由来を垣間見ることができた。テイカカズラという名は、謡曲の「定家」に由来する。後白河法皇の第三皇女式子内親王は、幼くして賀茂斎院となり、十年にわたって神社に奉仕していたが、病のために退いた。この頃、歌人として有名な藤原定家が皇女を慕っていた。だが、皇女は独身を守って49歳で病気のため亡くなってしまう。それでもなお、皇女を慕った定家は蔦葛(つたかずら)となって、皇女の墓石にまつわりついた。皇女の霊が、自分の墓に蔦葛がまつわりつく苦しみを、旅の僧に訴えるというのが謡曲。そこから「つた」のことを定家葛と言うようになったという。成就しなかった恋への執心で蔦葛となり、恋人だった式子内親王の墓に絡みついたのだが、画像の木に絡みつく様はさもありなんと頷くばかりである。

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