ヤマボウシ

 ヤマボウシは中国、朝鮮半島、日本に分布し、同じ属のハナミズキに比較すると開花時期が遅く、葉が出たあとに枝先に開花する。だから、ハナミズキヤマボウシはちょうどソメイヨシノオオシマザクラの違いに似ている。また、1912年に東京市がアメリカにサクラを贈り、ハナミズキは1915年にその返礼としてアメリカから贈られた。
 花のように見えるのは本来の花弁ではなく、ハナミズキと同様、総苞片(花のつけ根の葉)。果実は8月から9月に紅橙色に熟し、果肉は粘質で甘く、そのまま食べることができる。見栄えがよく、庭や公園、街路樹としても広く利用されている。近縁のハナミズキはアメリカヤマボウシとも呼ばれ、最近は街路樹としてあちこちで見る。
 今ではヤマボウシよりハナミズキの方がずっとポピュラーである。本来なら反対の筈なのだが…昨日述べたマロニエトチノキの場合と似ていないこともない。両者は交配可能で、その点では人種の違いと同じ程度の違いに過ぎなく、ハナミズキヤマボウシも似たり寄ったりの仲間に過ぎない。

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