脳は生存コンピューター、だから人は夢を見る

最近は脳が関心の的になり、「脳死」などという言葉が普通の会話によく登場します。脳に対する私たちの興味や知識が深まり、脳は人の活動のすべてをコントロールし、私たちの日常生活は正常な脳に支えられているという理解が常識になっています。つまり、脳…

隅田川のユリカモメ

隅田川は川も川辺もすっかり変わった。水はきれいになり、川辺はテラスと呼ぶにふさわしい遊歩道になった。だが、ユリカモメ (百合鴎)は変わらない。『伊勢物語』に登場する「都鳥」は、現在ミヤコドリと呼ばれている鳥ではなく、ユリカモメのことだとする…

夢の有り様についての雑感

忘れることも憶えることも、いずれもそれなりの努力が必要で、脳に負担がかかるか否かはわからないが、心には確かに負担となってきた。日常生活のほぼすべてにわたり、知識や技術の学習が求められ、その基本が憶えることで、忘れないようにする工夫が重ねら…

オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)

オオイヌノフグリは、オオバコ科クワガタソウ属の越年草。路傍や畑の畦道などに普通に見られる雑草で、公園などにも繁茂している。和名はイヌノフグリに似て、それより大きいために付けられた。フグリとは陰嚢のことで、イヌノフグリの実の形が雄犬の陰嚢に…

Ceci n’est pas une pipe

ルネ・マグリットの「イメージの裏切り」は1928-29年に制作され、油彩、キャンパス、63.5㎝×93.98㎝で、ロサンジェルス・カウンティ美術館に所蔵されている。パイプのイメージを裏切るような文が下に書かれており、それがCeci n’est pas une pipe(これはパ…

冬のチューリップ

チューリップ球根は自然の冬の寒さを過ごすことによる春に開花する。これからがチューリップの季節なのだが、チューリップは一輪ではなく、集団になっている方が好まれる。バラは一輪でもバラだが、チューリップは複数あった方がいい。あちこちの公園や広場…

命名の作法と自由

自分の好きなように対象や出来事に命名するのが理想でも、対象や出来事を真に表現するにふさわしい名前が求められてきた。私たちは自分の子供に名前をつける時、その子が産まれた経緯や家系を中心には考えなくなっている。だが、それで自由に命名しているか…

セイヨウアブラナ

セイヨウアブラナは、アブラナ科アブラナ属の植物。食用油の原料として、世界中で広く栽培されている。英語では、白菜等の仲間である近縁種Braasica rapaに由来する語rapeと表記されてきたが、近年はキャノーラ品種を意味する語canolaがセイヨウアブラナ全体…

エリカ

エリカ属はツツジ科の属の一つで、700種類以上の種があり、その大部分は南アフリカ原産で、残りの70種程度がアフリカ以外の原産である。アフリカ、ヨーロッパに600種以上が分布する常緑性の樹木。英語ではヒース、ドイツ語ではハイデと呼ばれる。園芸では性…

ダリの「記憶の固執」、「記憶の固執の崩壊」:非写実的なものの命名

「記憶の固執」はダリの作品の中でも最も広く知られている作品の一つ。ぐにゃりとチーズのようにとろけた時計はダリ作品のアイコンにもなっている。だが、この作品は24.1×33㎝というA4の紙ほどの大きさしかない。その小さなキャンバスに、細密にリアルに描か…

梅、雪、そして桜

寒梅が咲き始めている。寒風の中の梅の花が嫌いな人はいないだろうが、雪と梅の花も見事な取り合わせではないだろうか。 大島蓼太(りょうた)(1718~1787)は江戸中期の信濃の俳人で、別号が雪中庵。江戸俳壇の実力者で、芭蕉への復帰を唱えた。 「ともし…

ウメ(梅、Japanese apricot)

見上げれば、もう梅の花が咲き出している。ウメはバラ科サクラ属の落葉高木。モモやサクラに比べ、開花時の華やかな印象は薄いが、寒い中で咲く姿は凛としている。5枚の花弁のある1㎝から3㎝ほどの花を葉に先立って咲かせる。花の色は白、またはピンクから赤…

ダリの「記憶の固執」と「記憶の固執の崩壊」

La persistencia de la memoria, conocido también como Los relojes blandos o Los relojes derretidos es un famoso cuadro del pintor español Salvador Dalí pintado en 1931. Realizado mediante la técnica del óleo sobre lienzo, es de estilo surre…

記憶障害と人格

身のこなしや技、無意識の経験など、言葉で表現できない記憶は非陳述記憶。非陳述記憶は、本人が意図的に意識、想起できないが、長期的に保存されている記憶であり、潜在記憶(implicit memory)と呼ばれている。非陳述記憶は、さらに手続き記憶(procedural…

白いツバキ

私には「赤いタンポポ」のような感じがするのが「白いツバキ」という謂い回し。ツバキもサザンカも赤い花が圧倒的に目につく(画像は赤いカンツバキ)。そんな中に白い花もあるのだが、その一つがゴードニア・ラシアンサス(Gordonia lasianthus)。 たき火…

忘却の功罪

(1)忘却の代表となれば認知症。その認知症の中核をなす症状が忘却という記憶障害。普通の物忘れと違って、認知症の記憶障害の特徴は、「記銘力低下」、「全体記憶の障害」、「記憶の逆行性喪失(現在から過去に向けて記憶を失っていく)」である。肝心な点…

ツバキ

ツバキ(椿、海柘榴)またはヤブツバキ(藪椿、Camellia japonica)は、ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹。私は光沢のある濃い緑の葉が好きで、花は好きになれないのだが、その葉が名前の由来になっているようである。厚みのある葉の意味で「あつば木」、つやや…

記憶の干渉を起こすもの

まずは復習。私たちの記憶は、情報の記銘、保持、再生の三段階からなる。加齢による物忘れは再生の機能が低下することによって起こり、覚えていることを思い出すまでに時間がかかるようになる。そのため「約束したこと」や「通帳をしまったこと」自体は覚え…

アロエ

アロエはツルボラン亜科アロエ属の総称。南アフリカ共和国からアラビア半島まで広く分布し、日本には鎌倉時代に伝来したとされる。今はキダチアロエが九州、瀬戸内海、伊豆半島、房総半島などの海岸に帰化している。よく見るのはキダチアロエ、そしてアロエ…

自由意思雑感

「男心と秋の空」、「男の心と川の瀬は一夜に変わる」といった格言の「男」を「女」に取り換えても、同じように成り立つためか、今では「女」もよく使われ、「女心と秋の空」も立派に市民権を得ている。「わからぬは夏の日和と人心」とあるように、男心でも…

市場の移転

日本橋と江戸橋の間、日本橋川の北岸ににあった魚市場が魚河岸。17世紀の初めに開設され、1935年に築地市場へ移転するまで300年以上続いた。魚河岸は日本橋地域に1656年まであった「吉原遊郭」や1842年まであった「歌舞伎小屋」とともに「一日千両」と称され…

記憶を知れば、それを書き換えたくなる

嫌なことは忘れ、いい思い出だけ残しておきたい。それが脳科学の進歩によって実現可能となるとしたら、あなたはどうするでしょうか。身体の病気を治すように心の病気を治すことに異を唱えなければ、記憶の書換えが治療の有力候補になってきます。 自分の体験…

雪の中の鮭、鰤、鱈

日本海側が大雪だと聞くといつも連想されるのは鮭(さけ)、鰤(ぶり)、鱈(たら)という冬の魚トリオ。それらが魚屋の雪の上に並べられている姿が浮かび上がってくる。鰤と鱈は一尾丸ごと、鮭は切り身で並んでいた。まだバナナが貴重品だった頃で、新潟の…

東光丸と選手村

東光丸(とうこうまる)は、水産庁が運用している漁業取締船(fisheries inspection)。1971年就航の老朽化した二代目東光丸の代船として建造され、1996年に就航。遠洋海域での国際漁業に従事する漁船の指導取締が主な任務である。海洋資源の管理が国際的に…

記憶について知っていることの確認(2)

<記憶するメカニズム> 19 世紀末にジェームズは、記憶を短期的な一次記憶(primary memory)と永続的な二次記憶(secondary memory)に分類している。一次記憶は現在の短期記憶に近い概念で、二次記憶は現在の長期記憶にあたる。その後、記憶の仕組みと種…

冬のユリ:二つの謎

ユリを好きな人は多いようなのですが、私は何故だかユリが苦手。そんな中で嫌いでないと思えるのはテッポウユリ。テッポウユリの花は、画像のようにラッパに似た筒状の花を横向きに咲かせます。画像のユリは冬のためか元気がない感じです。テッポウユリの花…

記憶について知っていることの確認(1)

まずは基本のおさらい。記憶は、 登録(registration)、保持(retention)、想起(retrieval)、の三つの情報処理過程から成り立っていると述べてきた。最初の過程は情報を符号化(encoding)して入力するもので、「記銘(memorization)」、「符号化」など…

ハボタン

ハボタンはアブラナ科アブラナ属の多年草で、キャベツやブロッコリーの仲間。寒くなるにつれ色づく葉を冬から春にかけて観賞する植物で、今あちこちで見ることができる。名前の由来は葉を牡丹に見立てたもの。ヨーロッパ原産で、日本には江戸時代に食用とし…

記憶に関する二例

超人的な記憶力を生得的にもつことは私たちには夢であるように見えるのですが、スーパーマンにはスーパーマンの悩みがあるように彼らにも似た悩みがあるようです。(1)サヴァン症候群 サヴァン症候群は、自閉症スペクトラムなどの発達障害がありながらも突…

シクラメン

パンジーと並んでシクラメンは冬の代表格の花。サクラソウ科シクラメン属に属し、地中海地方が原産。シクラメンは多年草の球根植物の総称である。昔は花ではなく、塊茎の澱粉が注目され、有毒にもかかわらず「アルプスのスミレ」と呼ばれて食用となっていた…