マツバウンラン(松葉海蘭)

豊洲ぐるり公園の散歩中に目に留まったのがマツバウンラン。葉の形が松葉、花がウンランに似ていることからこの名がついた越年草で、北アメリカ原産の帰化植物。意外に新しく、1941年に京都市で初めて採集された。現在では北関東、北陸地方以西に普通に見ら…

なぜ、人の歯は一生に一度だけ生え変わるのか

この簡単そうに見える子供の問いに真剣に答えようとすると意外に大変なのである。生え変わらない人はいないのか。二度以上生え変わる人はいないのか。いずれもいないことが証明できないと、完全な答えにはならない。経験的に「必然的にそうだ」と答えること…

主観的でない、感じられる時間と空間

子供の頃、風景の中のものはみな大きかった。家も人も、道も川もどれも大きかった。大人になり久し振りに帰省して見る風景の中のそれらに大した変わりはないのだが、みな小さかった。そして、こんな小さいものを昔は大きいと思っていたのだと感慨にふけった…

ユキヤナギ

サクラが咲くのと重なるように、枝垂れた枝先の長い穂にたくさんの花を咲かせるのがユキヤナギ。庭や公園によく植えられているお馴染みの植物である。辺りを白一色に変えてしまう程に花をつける。ユキヤナギの和名は、葉がヤナギに似て、白い多数の花が、雪…

古典力学と古典的世界観の僅かな差異

物理世界に関する基本的で自然な前提となれば、因果性、確定性、連続性という三大前提。これらがギリシャ以来の伝統だったが、それが科学革命で変わり出す。日常世界でのこれら三つの前提は揺るぎない確信に近いものだった。 物理世界の変化だけでなく、神話…

花桃二種

桃は実だけでなく、花も味わうのが強欲な人の常で、その代表となれば、紅白の八重咲で人目を奪う「源平枝垂れ」。モモの花を鑑賞する園芸品種。 紅白の花と枝垂れ性(枝が垂れ下がること)のあることから、この名前がつけられた。太い幹や枝に突然変異が生じ…

「過去、未来」と「存在、認識」の組み合わせ:再述

過去の歴史は決まっていて私たちには変えられない。 私たちが変えることができるのが未来である。 これら言明は誰も疑わないような真理の典型例の一つと考えられています。過去は私たちの認識、知識とは関係なく決まっていて、未来は私たちが自由に決めるこ…

ベニバスモモ

10日ほど前だが、早い桜がもう咲いていると思って見上げたら、少々様子が違う。よく見ると、スモモの花だった。「ベニバ」は、花と同時に出る葉が赤みがかっているためだが、葉も紅色ではなかったので間違えてしまったのだ。別名はアカバスモモ。花は白いが…

言葉とクオリアなど:ヘレン・ケラーの体験から

ヘレン・ケラーは全盲全聾でありながら、言葉を学習することを通じて、人間として見事に生き抜くことができた。動物と変わらなかったヘレンを人間に変えたのがサリバン女史だった。人類が言葉を獲得することによって進化の歴史の中で勝者になれたように、ヘ…

ハナニラ

この数日ですっかり春らしくなった。それを感じる一つが野原の花の種類と数である。すっかり賑やかになった野原に見つけたのが画像のハナニラ。ハナニラ(花韮)はネギ亜科ハナニラ属に属する多年草で、葉にはニラやネギのような匂いがあり、それが名前の由…

三人三様:追記

九 鬼 隆 一(1852~1931) 僧は厨子の扉を開けという申し入れを拒んだが、フェノロサと岡倉天心は激しく迫る。1884 (明治17)年夏、奈良の法隆寺夢殿。ほの暗い八角堂の中、一つの厨子を前に押し問答が続いた。厨子は秘仏を納めたもので、その扉は数百年に…

シデコブシ

シデコブシ(幣辛夷、四手拳)は、モクレン科モクレン属の落葉小高木。別名はヒメコブシ。コブシやモクレンの仲間で、愛知、岐阜及び三重の限られた地方に分布する日本の固有種。かつては伊勢湾を中心とした里山や丘陵地の湿地に見られたが、開発が進み、野…

三人三様(九鬼、天心、福澤)

明治の「廃仏毀釈運動」は日本の文化財の破壊の危機をもたらしました。それを救ったのが九鬼隆一と岡倉天心でした。二人は全国の寺社仏閣を精力的に調査し、保護すべき文化財を調査し、文化財保護の基本となる古社寺保存法を明治30(1897)年に制定します。…

キブシ(木五倍子)

何とも奇妙な名前で、漢字を見ても解せず、好奇心をかき立てる。キブシはキブシ科キブシ属に属する雌雄異株の落葉低木で、別名キフジ、と言われても合点がいかない。 キブシの樹高は3m、ときに7mに達するものもある。3月から5月の葉が伸びる前に淡黄色の花を…

雪解け、一茶、苗名の滝

雪解けの水音が四方に轟き渡り、それがあたかも地震の如しということから「地震滝」と呼ばれ、「地震」と書いて「なゐ」と呼ばれていたことから「苗名(なえな)」に変わり、今では「苗名滝」と呼ばれ、日本の滝百選に選ばれているというのが観光案内の常套の説明です…

自然と不自然

今年もそろそろ桜の開花の時期です。サクラはわが国を代表する花。落葉高木で、大きいものは高さ20m、直径1mまでになり、天然記念物に指定されているものもあります。その代表的なものが、山桜の一群です。ヤマザクラあるいはシロヤマザクラはほとんど白に近…

ネモフィラ

ムラサキ科(旧ハゼリソウ科)ネモフィラ属のブルーインシグニスが一面に咲く光景で有名なのが国営ひたち海浜公園。花は4月に開花し、花径2cmくらいで、白に空色または青紫色の深い覆輪がある。みはらしの丘一面が青く染まり、空と海の青と溶け合う風景は、…

連続性と無限

運動はどんなにギクシャクしていても、連続的で途切れることがないというのが私たちの常識です。その運動変化の連続性、平たく言えば、スムーズな運動変化、途切れることのない、流れるような運動変化とはどのような変化なのでしょうか。変化に対する、この…

二つの街道

北国街道は旧新井市の真ん中をくねくねと曲り、その両側に主な旧家や商家が並び立ち、街道を中心に新井がつくられてきたことを示しています。北国街道以外の道は脇道か新道という判断が子供にもできました。 私の生家は妙高市の小出雲にあり、その北国街道に…

ヤグルマギク

すっかり春めいた公園にはヤグルマギクが咲いている。ヤグルマギクは、一時ヤグルマソウと呼ばれたこともあったが、ユキノシタ科のヤグルマソウと混同しないように、今ではヤグルマギクに統一されている。その青紫色の美しさから、「コーンフラワーブルー(…

妙高の方言

標準語なるものをうまく操ることに支障がない程度の方言は確かに妙高地方にはあったし、今でもあるが、それは東北や関西にあるような立派な方言ではなく、単語とイントネーションの僅かな違いといった程度のものである。実際、妙高から東京に出てきた私は何…

サンカクバアカシア

最近はミモザと言えば、アカシア属の常緑樹のこと。その代表はギンヨウアカシア。今が見頃で、黄色の花が樹木全体を覆い、見事である。サンカクバアカシアは葉の形状が三角形であることが和名の由来だが、英名は三角形の辺をナイフに見立ててKnife Acaciaで…

性悪(しょうわる)が願う善人

性善説について性悪な私がどう捉え、表現したらいいのか思案した挙句、思いついたのが次のような物語。それにしても、善悪とはなんと性悪(しょうわる)なことか。 知子(さとこ)が早朝のバスに乗って最初に脳裏をかすめたのは自分が既に42歳だということだ…

ハクモクレン

ハクモクレン(白木蓮)はモクレン科モクレン属の落葉低木。モクレンは花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)の別名もある。ハクモクレン(白木蓮)はモクレンの仲間で白色の花をつけ、よく「モクレン」と混同される。紫木蓮も白木蓮もモクレン科モ…

ミツマタ

今私の周りでは沈丁花の花が咲き誇り、強い香りがしている。その沈丁花の仲間がミツマタ(三椏)で、沈丁花ほどではないが、あちこちに咲いていて、その黄色い花は春を告げている。ミツマタは中国、ヒマラヤ地方が原産で、名前の通り枝が三つに分岐するのが…

自由意思の正体

「男心と秋の空」、「男の心と川の瀬は一夜に変わる」といった格言の「男」を「女」に取り換えても、同じように成り立つためか、今では「女」もよく使われ、「女心と秋の空」も立派に市民権を得ている。「わからぬは夏の日和と人心」とあるように、男心でも…

オニタビラコ(鬼田平子)

「野生の動物とペットのいずれが好きか」といった他愛もない問いは意外に人々の関心を集めるのだが、「野草と園芸植物のいずれが好きか」はピンボケの問いと思われるようで興味をもつ人は少ない。野生の植物となればその主人公は野草ではなく樹木であり、野…

ヤハズエンドウ

ヤハズエンドウは本州以南の日本各地に生育する一年生草本で、湾岸地域では今を盛りとあちこちで生繁っている。何度か繁茂を繰り返すようで、芝生の斜面などにこんもりと生茂っていて、誇らしげに咲いた紫の花が陽の光を浴びている。ヤハズエンドウの和名は…

人間による人間に対する偏見とその修正

人間は「理性的で、倫理や道徳をもって行動する動物である」と伝統的に捉えられてきました。これを言い換えるなら、「人間は信念と欲求をもち、合理的で倫理的な行動をするシステムである」というお馴染みの表現になります。そこで、人間の倫理や道徳の萌芽…

私が生きる世界(8)

9 「決める」と「決まる」 因果的な決定性は表現される内容の決定性のことであり、物理的な自然法則、例えば運動法則にしたがって物理系の状態が決まっていくように、物事が「決まる」ような仕方で見つけることができる。非因果的な決定性は表象の形式に関連…