コロナの謎、日本の謎(1):メモ

日本のコロナ対策は欧米には謎に見えるようだが、肝心の私たち日本人にも謎そのもの。流行小休止の今、その謎解きを試みてみたい。まずは何が問題かのメモ。 スウェーデン公衆衛生局は首都ストックホルムの住民に抗体検査を行い、抗体保有率が7.3%だったと…

ハナミズキが咲き終わり、ヤマボウシが咲き誇る

公園や歩道に最近増えたのがハナミズキ。私はあまり好きになれず、敬遠気味。それに対してヤマボウシ(山法師)はなぜか見ていて落ち着くのである。ヤマボウシはミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木で、日本から中国・朝鮮半島に分布する。日本では沖…

「無知の知」と「知の知」

既に何回も「無知の知」や「知の知」についてくどくど考えてきた。それは私だけでなく、多くの人が試みてきたことでもある。それらをまとめて、私の心の内だけでもスッキリさせたい。 (1)知っていることを知る(知の知) (2)知っていないことを知る(無…

二つの「知る」こと:教育の本質と限界

学校教育だけでなく、そもそも教育という名のもとに教えられ、学び、そして知るものはいずれも徹底して過去のもの。それらは過去に別人が見出し、知ったもの。既に知られ、確認されたものが教えられ、伝えられてきました。教師が教えるものは昔の人たちが獲…

視覚と味覚の両刀使い

ツツジ科スノキ属のブルーベリーは北アメリカ原産の果樹の総称。日本には1951年に入ってきた。営利栽培が始まったのが1968年。アメリカではブルーベリーは食生活に欠かせない存在で、ブルーベリーパイはアメリカ人の大好物。どこの家庭でも普通に作るパイで…

感覚的に気づけば、美を享受できる

人は視覚的な動物だと言われてきたが、視覚を巧みに利用した一つが園芸植物。特に、花は視覚に訴える格好の部分で、それを上手に援用したのが私たち。以前にキキョウソウやヒメキキョウソウが美しいことを述べたが、彼女たちの美しさは慎ましく、私たちが見…

『エレホーン』、そして『河童』

「ニワトリが先か卵が先か」というお決まりの難問を考えるつもりが、外出自粛のためか、すっかり脱線してバトラーの『エレーホン』と芥川の『河童』にふらふら踏み込んでしまいました。この問に対する解答「A hen is only an egg's way of making another eg…

自然を感じ、味わう:「雪月花」

雪の中の花は文字通り「雪中花」だが、それはスイセンのこと。「雪中梅」となれば、人は上越の酒だと即断するが、『雪中梅』は、末人鉄腸の有名な政治小説。この小説の初版は明治19年。酒の「雪中梅」は昭和初期にでき、雪の中に咲く梅の花のような穏やかな…

コバンソウとヒメコバンソウが群生する世界

コバンソウ(小判草)は地中海沿岸を原産とするイネ科の一年草です。明治時代に観賞用として渡来し、現在は野生化していて、道路の端や荒地・原野に生息しています。和名が示すように、まさしく小判によく似た花穂が特徴。春に柔らかくて細いみどり色の葉を…

悪い植物と善い植物

ジギタリスはゴマノハグサ科に属し、Digitalis(ジギタリス)はラテン語の「digitus(手袋の指)」が語源。和名の「狐の手袋」は、英名「Fox glove」の直訳。今満開の美しい花姿から広く愛されているが、実は全草にジギトキシンなどの強心作用のある毒性物質…

目的:物語の重要な要素

私たちの生活世界を私たちは物語として理解しながら生きています。物語は科学的な説明と違い、原因と結果、目的と達成の二つの原理から成り立っている説明です。人の一生も物語ですから、そこから歴史も物語であることが想像できます。「親子、家族、人生、…

宗教(と)美術

ブッダの仏教に美術はないが、それが大乗仏教にシフトすると、仏像、仏画、仏具、そして寺院がつくられ、豊かな仏教美術が花開くことになる。「美のための美」ではない宗教美術をどのように理解するかは未だに私には難題でしかない。子供の頃によく聞いた「…

人工的に見える、自然的に見える

今のところ、人が作り出した生命体はない。自然の所産に人が部分的に手を加えたに過ぎない。犬も馬も、そして園芸品種も私たちがつくったものだが、どれも部分的な改変に過ぎない。とはいえ、私たちは見かけの姿に手を加えて、自然とは違う形態を生み出して…

ターレスの幾何学と論証による説明

現在はトルコ領内のミレトスで生まれたターレス(624-546 BC)は、気候や天体の変化は神ではなくて哲学者や科学者が説明すべきだと考えました。ターレスは物質がすべて水からできていると誤解しましたが、どんなものも同じ一つの基本的なものからできている…

桑:ヤマグワとマグワ

山の栗と屋敷の栗が違うことを子供の私は知っていたが、山の桑と里の桑の違いは知らなかった。だが、それが大した違いではなく、一方を知っていれば他方も似たようなものだということを知ったのは大人になってから。ブナ科クリ属のクリがシバグリ(柴栗)ま…

古典物理学の描く世界(=ほとんどの人が共有している常識的だが、正しくない物理的世界観)

科学革命の中でつくられ、20 世紀初頭までに醸成され、今でも中高校で教えられている自然観は次のようなものである。 <空間> 宇宙空間には上下を区別するような特別の方向は本来存在しない。上下の区別ができるのはそこに何らかの物体(たとえば地球)があ…

たかが名前、されど名前

人が言葉に関わるゆえに、言葉は混乱するが、それが言葉の宿命。最近のコロナ禍では実効再生産数R(=(1-e)R0)が注目され、R0とRでは人のかかわり方が随分と異なる。基本再生産数R0は対象としての人のもつ値で、ヨーロッパの第一波での値は2.5。私たちが自粛…

感覚は信用できる

ニオイバンマツリもハコネウツギも二色の花が咲いているように見えながら、実はそうではなく、花の色がある色から別の色へと変わっていたのです。これは時間をかけて観察を続けないとわからないことで、感覚が信用できないのではなく、時間を置いた観察を続…

ニオイバンマツリとハコネウツギの花

ニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)は、ナス科の常緑樹で、南アメリカ原産。この辺は今咲き誇っています。漏斗状の花弁で5弁に開きます。花は咲き始めが濃い紫色で、次に薄い紫色、最後は白色になり、強い芳香があります。和名の匂蕃茉莉は、匂(香り)があり、蕃…

感覚は信用できない

同じ木の枝に二色の花が咲き、紅白が競うように咲くと、「源平咲き」と呼ばれ、それはウメだけでなく、モモ、ツバキ、ツツジ、ボケの仲間にもあります。本来は赤い花の木なのに、赤い花に必要な酵素が働かなくなることで白い花になってしまうのです。こんな…

ゲーデルの不完全性定理

<ゲーデルの定理は「知ったかぶり」がどのようなものかを腑に落ちる仕方でわかるための格好の例。この定理をわかるには実際に途中を省略せずに証明を辿ってみることだが、それが意外に厄介で、証明の多くの部分は「できる筈、そうなる筈」という妥当な推測…

天と地と

何とも懐かしいタイトルだが、天にはセンダンとエゴノキ、地にはカラーとトキワツユクサ、いずれも白が基調の花が咲き、天も地も5月である。 センダン(栴檀)は、センダン科の落葉高木。「栴檀は双葉より芳(かんば)し」のセンダンは実はビャクダン(白檀)…

妙高(山)と深川

妙高(山)は「妙高(山)」でなければ腑に落ちず、深川は「深川」と呼ばれてこそ深川だと大抵の人は疑うことなく断言する筈です。確かに、もののもつ性質を表現するためにつけられたのが名前だと考えるなら、富士山は「富士山」でなければならないことにな…

クサノオウ再訪

4月の初めに挙げたのが、とても大業な名前のクサノオウ(瘡の王、草の黄、草の王)。そのクサノオウがまだ咲いていた。ケシ科クサノオウ属の草本植物で、全草に約21種のアルカロイド成分を含み、その多くが人間にとって有毒。黄色い汁が皮膚に触れると炎症を…

白い花の木々

イボタノキ(水蝋樹・疣取木)はモクセイ科の落葉低木。北海道から沖縄まで全国の野山に自生する半落葉樹。イボタノキそのものが庭木として使われることは稀だが、丈夫な性質を利用して垣根トして使われることがある。 「イボタノキ」はこの木に寄生するイボ…

知識帰命の異安心:日曜日の安心

日本には浄土真宗の寺が圧倒的に多く、当然多くの国民が門徒ということになります。その浄土真宗には、「知識帰命の異安心(ちしききみょうのいあんじん)」という言葉があります。知識は指導者、帰命は帰依すること、誤った真宗教義が異安心(いあんじん)…

「瞬間」と「現在」の古典性

昨日は「現在」や「今」について考えた。ところで、「物理的な対象や性質はいつでもどこでも決定していて、それゆえ決まった値をもち、私たちがそれを確かめることができるかどうかには関係ありません」というのが古典的な物理実在論の基本主張である。そし…

ピラカンサスの満開の花

木全体についた赤い実には驚くばかりなのだが、満開の花もまた見事で、これほど花をつけて重くはないのか、弱ってしまわないかと逆に気を揉んでしまう。そんなピアカンサスの和名は橘擬(たちばなもどき)、常盤山樝子(ときわさんざし)で、開花時期は5月の…

「現在」=「今」とは何なのか

「現在(present)」とは言わずと知れた「今(now)」のことだが、「今」はわかったようでわからない不思議概念の一つ。「今」は今しかなく、「一瞬」でしかないと思われている。一瞬の出来事と言えば、夏なら流れ星や花火が思い浮かぶ。だが、「今」も「一…

ヤセウツボ

今の道端や野原は草花に溢れているが、そんな満面の緑の中に枯れた姿に見えるものが見える。枯れて見えるのは葉緑素がないからで、その理由は他の植物に寄生しているため。それがヤセウツボ(痩靫)で、ハマウツボ科ハマウツボ属の寄生植物。地中海沿岸が原…